メニュー

睡眠時無呼吸症候群

睡眠と睡眠時無呼吸症候群について

どうして睡眠時無呼吸症候群の治療が必要かをご理解いただく前に、「睡眠」について知っていただくことから始めましょう。

睡眠のメカニズム

睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があることをご存知ですか。
*REMとはRapid Eye Movement(眼球運動)のことです

レム睡眠(REM睡眠)

浅い眠り・体の眠り(睡眠中に眼球が素早く動いてる状態)

  • 体の休息
  • 記憶や感情を整理やその固定や消去を行っている
ノンレム睡眠(NON―REM睡眠)

深い眠り・脳の眠り(眼球運動を伴わない)

  • 脳の休息
  • 体組織の修復や免疫機能の増強
  • 成長ホルモンの分泌(糖の細胞内への摂取を促す)

睡眠中におよそ90分周期で2種の睡眠を交互に繰り返しています。特に睡眠直後の
ノンレム睡眠が睡眠の質を著しく向上させます。

1回の睡眠における睡眠のリズム

1 睡眠不足のリスクとは

  • 心臓病(不整脈・狭心症・心筋梗塞):慢性的なストレス反応により高血圧になる
  • 肥 満:食欲ホルモンであるレプチンとグレリンのバランスが崩れ肥満になりやすい
  • 糖尿病:インスリンに細胞が反応しづらくなり高血糖になる

2 適切な睡眠時間とは

  • レム睡眠とノンレム睡眠を充分に確保するには、8時間程度が最適とされている

3 睡眠の質を改善するこつ 

  • できるだけ同じ時間に寝て、同じ時間に起床し、毎日30分以上日光にあたる

睡眠で最も重要なイベントは、睡眠直後のノンレム睡眠の90分間です。睡眠時無呼吸症候群はこの睡眠最初のノンレム睡眠が充分に得られないことで睡眠の質を著しく低下させ、高血圧・心臓病・脳梗塞・糖尿病などの成人病を引き起こす原因となるため、積極的な治療が必要となる訳です。ご理解頂けましたか?

自律神経について

  1. 体性神経・・・意思によって身体の各部を動かす神経
  2. 自律神経・・・意思に関係なく身体の機能を調整する神経

さらに自律神経には2種類あります

  • 交感神経・・・身体を活発に動かすときに働く神経(緊張する神経)
  • 副交感神経・・・身体を休めるときに働く神経(リラックスする神経)

これらが互いにバランスを取りながら身体の状態を調節していますが、「自律神経の失調」というのは、本来の自律神経のあるべき時間帯の位置からシーソーが傾いた状態をいいます。夜間のリラックスしている副交感神経優位な状態が、無呼吸・低呼吸によって緊張する交感神経へとシーソーが傾くことで、血圧の上昇や心拍数の増加をもたらし心臓疾患や脳疾患などの病態を引き起こす可能性が高まります。睡眠時無呼吸症候群の治療がひつようなのはこのような循環器疾患の増悪につながるからです。

「睡眠時無呼吸症候群」と「いびき」

「無呼吸」とは・・・10秒以上呼吸が止まる呼吸状態 
  
「低呼吸」とは・・・ 呼吸が浅くなり低酸素になる呼吸状態
 
睡眠時無呼吸症候群というのは、睡眠時に無呼吸になったり、低呼吸に陥ったりすると、高血圧や脳梗塞、不整脈・心筋梗塞などの循環器疾患へと反転する可能性がある、チョッと怖い病気です。睡眠中の呼吸状態はご自分ではわかりません。ご家族から指摘されことが多い気です。ただし昼間の会議などでついつい眠気が襲うことで、検査に至ることもあります。 

ご家族から「いびきがひどくて、時々呼吸が止まっているみたいで心配だ!」と指摘されたら、まずは検査をすることをお勧めします。特にひどいいびきにこの病気が潜んでいることが多いようです。中高年でメタボリックがあったり、女性で閉経後に無呼吸を指摘されたりすると、特に脳梗塞などの脳血管障害の原因となったり、高血圧・心筋梗塞などの循環器障害を悪化させる原因となります。

睡眠時無呼吸症候群と他の疾患や出来事のリスクについて

  • 交通事故を起こすリスクは: 約2倍
  • 脳卒中になるリスクは: 3.5倍
  • うつ病になるリスクは: 5.0倍
  • 高血圧になるリスクは: 2.1倍
  • 心不全になるリスクは: 4.3倍
  • 心筋梗塞なるリスクは : 2.5倍
  • 糖尿病になるリスクは : 2.3倍

睡眠時無呼吸症候群の診断について

当院では3種類の検査を行っています

1 簡易型睡眠検査

ご自宅で比較的簡単にできる呼吸と血中酸素濃度の変化をモニターする検査器械を貸し出して、ご自宅で2晩程度検査をして頂きます。飲酒する方は、お酒を飲んだ場合と飲まない場合など1~2回ほど検査をして頂き、飲酒による影響も考慮します。

* 当院から検査器械を貸し出す ⇒ ご自宅で検査 ⇒ 当院で結果を解析し判定

2 在宅終夜型睡眠検査  

簡易型睡眠検査で 重症 と判定された方のみ『在宅終夜型睡眠検査』を行います。
この検査は検査会社から検査器械がご自宅に送られてきて、簡易型同様にご自宅で検査を行います。ただし検査は1晩のみです。

* 検査器械がご自宅へ届く ⇒ ご自宅で検査 ⇒ 検査器械の返却 ⇒ 結果は当院で

3 1泊入院による終夜型睡眠検査

簡易型睡眠検査で中等症以上と判定された場合、睡眠の専門医療機関での1泊入院
による終夜型睡眠検査をおこなう場合があります。

  • 東京歯科大学市川病院(耳鼻咽喉科・千葉県市川市)
  • 太田総合病院・睡眠センター(神奈川県川崎市)

睡眠時無呼吸症候群の治療について

睡眠検査で正常、軽症、中等症、重症、最重症の5段階の判定結果となります

1 いびき治療
  • 寝具や睡眠体位の指導
  • 歯科で口腔内装置(一種のマウスピース)装着
  • ナステントの使用
2 正常から中等症

  • 経過観察
  • 運動療法および食事療法での減量
3 重症または最重症
  • CPAP治療

*CPAPとは、鼻に装着したマスクから空気をのどに送り込むことで、呼吸を補助する装置です。正式名は「持続的陽圧呼吸療法」で、通称「シーパップ」と言います。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME