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川甚閉店す

[2021.01.31]

『川甚』は江戸時代後期の1790年、江戸川でとれる新鮮な鯉や鰻を使った川魚料理を出す船宿としてスタートしたようです。当時の店は川のほとりにあり、1918年に移転するまで、客は舟からそのまま座敷に上がることができたようです。帆掛け舟が行き交う江戸川の景観も人気を呼び、幸田露伴の「付焼刃つけやきば」や夏目漱石の「彼岸過迄ひがんすぎまで」にも描かれれています。因みに私の母校『墨田川高校(七高)』の校歌は幸田露伴作詞です。柴又帝釈天に近い現在の店舗は、69年に公開された映画版「男はつらいよ」の第1作で、主人公・寅さんの妹、さくらのひろしの結婚披露宴の舞台になったことでも有名です。その名店が今日を持って閉店することになりました。柴又花火大会の際は、例年ロータリークラブが最上階の座敷を貸し切っての花火観戦や、はとバス観光のコースにもなり、多くのバスが駐車していた広い駐車場も最近は閑散としていたようで、閉店のきっかけはやはりコロナ感染拡大によるとのことです。夕方立ち寄ってみるとテレビ局も取材に来ており、お座敷は満員御礼、テイクアウトの穴子弁当等々も予約のみで売り切れ御免でした。何度かお邪魔したことがありますが、何とも何とも寂しい限りです。

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