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鼻の病気について

アレルギー性鼻炎の原因について

アレルギー性鼻炎の原因(抗原)⇒ 原因に接する ⇒ 症状が出る 

アレルギー性鼻炎には症状が発症する抗原(原因)があり、抗原を避けることが基本です。

ではその抗原となりうるものはなんでしょうか?

1 ハウスダスト(家のホコリ)・ダニ

1年を通して鼻炎症状を認める場合は、その第1原因はハウスダスト(家のホコリ)やダニだと考えて差し支えないでしょう。しかしダニアレルギーにも季節のピークがあり梅雨時の6月・7月と秋雨の9月・10月がハイシーズンです。

2 スギ花粉症&ヒノキ花粉症(春の花粉症)

2月~3月下旬にはスギ花粉症、4~5月まで続くようならヒノキ花粉症も原因として考えられます。春の花粉症の7割の方は両方の原因を持っています。葛飾区には千葉や茨城から飛散して来ます。

3 カモガヤの花粉症(初夏の花粉症)

葛飾区は江戸川や中川、水元公園などが近くにあるため、6月頃の初夏にカモガヤを代表とするイネ科の雑草の花粉症があります。土手に野球やサッカーに行くと目がかゆい、鼻がグズグズするなどの症状がありと、イネ科の花粉症の可能性があります。

4 ブタクサの花粉症

9月以降の秋に症状を認めるようならブタクサを代表とするキク科の雑草による秋の花粉症が疑われます。これも江戸川や中川の土手、水元公園など自生する植物による花粉症で、目にかゆみもでます。しかし秋というと秋の花粉症と思いがちですが、スギ・ヒノキ花粉症は数キロ飛散しますが、イネ科やキク科の植物は5~60m程度です。ご自宅や勤務先の近隣にそのような環境がなければ、ダニアレルギーを疑って下さい。

5 ネコ・イヌ・カビ

ペットを飼っていると犬や猫のアレルギーの抗体を獲得することがあります。検査をして陽性だからと言って症状がでるとは限りません。従って「陽性=飼育NG」という訳ではないのですが、ネコアレルギーだけはイヌに比べると皮膚のかゆみや目の腫れなどの症状が出やすいようです。またカビアレルギーは呼吸器疾患を発症しやすいようですのでご注意ください!

 

以上が原因の上位を占めています。もちろん抗原に接することが症状悪化の第一の原因です。抗原に接する頻度が多くなれば、現在の症状を悪化させるだけではなく、徐々に感受性が高まり、将来の症状も悪化の一途をたどります。症状悪化の原因がもうひとつあります。それは気温の変化です。朝夕の寒暖の差や、昨日今日の寒暖の差が大きくなる季節になると、症状が悪化する場合があります。

小児のアレルギー性鼻炎を疑うポイント

  1. 夜から朝にかけての鼻炎症状や咳症状が目立つ場合
  2. 2~3週間以上に及ぶ、比較的長期間にわたる鼻炎症状や咳症状が目立つ場合
  3. 熱がないような鼻炎症状や咳症状が目立つ場合
  4. ご両親やご兄弟にアレルギー性鼻炎や喘息、アトピー性皮膚炎を認める場合や、先行してアトピー性皮膚炎や喘息を指摘された場合は、アレルギー性鼻炎やアレルギー性気管支炎を疑ってみて下さい。鼻や咳の症状があるからといって風邪とは限りません。

アレルギー性鼻炎の治療

1 抗原からの回避

アレルギーの原因物質(抗原)の除去または回避(接しない)

2 薬物療法

抗アレルギー薬やアレルギー用の鼻スプレーによる治療

3 舌下免疫療法

スギ花粉とダニアレルギーについては、スギまたはとダニの無害な抗原を毎日舌下することで、腸内細菌にアレルギーを抑え込む免疫細胞を誘導し(制御性T細胞/通称Tレグ細胞)、アレルギーを治していこうという治療です。3~5年間の治療を要しますが、スギは8割、ダニは9割治ると言われています。

4 食事療法

食生活の改善・工夫でアレルギーを改善していく治療法です。

アマニ油や荏胡麻(えごま)油などのオメガ3という種類の油を、様々な食品と食べることで、舌下免疫療法のような効果が期待できます。特に発酵食品(ヨーグルト・納豆・キムチなど)ネバネバ海藻(もずく・めかぶ・アカモクなど)も効果的です。

スギ花粉症の治療のポイント

花粉症治療は情報戦です。気象庁から毎年花粉の飛散量や飛散時期や日々の飛散予報が天気予報で発表されます。またインターネット上に様々な花粉情報サイトがあり、地域ごとのピンポイントの飛散情報が掲載されています。

「飛散情報サイト」へ

1 初期治療(まずは鼻スプレーから)について

NHKの朝の天気予報で「花粉症情報」が始まったら、まずは鼻スプレーから使用開始です。鼻スプレーの効果は「鼻粘膜のからの花粉の取り込みのバリア効果」「鼻粘膜の消炎効果」が期待できます。

2 内服をスタート

関東地方では毎年伊豆半島が最も早く飛散が始まります。「NHKの花粉症情報」で伊豆半島の飛散が始まると、1週間以内に南関東(神奈川県・東京・千葉県)の飛散が始まりまので、いざ「臨戦態勢」です。

もちろんマスクやめがねの着用は必須です!

3 花粉症の後半戦について

次第に花粉の飛散が少なくなり症状が軽くなったら、まずは内服薬から減らしていきましょう。しかし4月下旬~5月上旬までは鼻スプレーとマスクの着用は忘れずに!

黄砂・PM2.5の影響

黄砂とは中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原など、乾燥・半乾燥地域で、風によって巻き上げられた多量の砂や塵(砂塵)のことをいいます。

黄砂に含まれる大気汚染物質やPM2.5が鼻や呼吸器に入り込むことで、アレルギーに似た症状が出ることが知られています。治療は抗アレルギー薬の点鼻スプレー・内服薬・点眼薬が効果的です。しかし特にPM2.5は花粉よりはるかにその粒子が細かいため、通常のマスクでは防ぐことができません。「PM2.5対応・花粉症マスク」と書かれたマスクが有効です。

上のグラフにわかるように、飛散終了後にも症状が続くようでしたら「黄砂アレルギー」を疑って下さい。

副鼻腔炎(ふくびくうえん/ちく膿症)について

副鼻腔の構造と名前

  • 上顎洞(頬の空洞)
  • 篩骨洞(両目の内側の空洞)
  • 蝶形骨洞(脳の真下の空洞)
  • 前頭洞(おでこの空洞)

副鼻腔は全て鼻腔(鼻の中)との交通路があり、鼻呼吸で常時換気されている

副鼻腔に膿(液体)がたまったり(いわゆる蓄膿症)、副鼻腔粘膜が慢性の炎症により病的に厚くなり副鼻腔に充満してしまう病態を副鼻腔炎といいます。副鼻腔にカビが繁殖する真菌性副鼻腔炎や、アレルギー性鼻炎に類似する好酸球性副鼻腔炎というタイプもあります。

副鼻腔炎の症状と診断について

症状について

  • 膿のような鼻汁が出る
  • 上の奥歯が痛く浮いたような感じがする
  • 頭が特にひたいのあたりが重たい(前頭部痛・頭重感)
  • 眼球後部痛

副鼻腔炎には次の4種類のタイプ

  1. 急性副鼻腔炎
  2. 慢性副鼻腔炎
  3. 小児副鼻腔炎(小児の慢性副鼻腔炎)
  4. 好酸球性副鼻腔炎
  5. 真菌性副鼻腔炎

診断について 

  1. 問診・鼻内所見
  2. Aモード超音波検査(当院で行う検査)
  3. 画像検査:CT・MRI(当院から予約できる提携医療機関で行う検査)
    *細田診療所(葛飾区)
    *新柴又駅前クリニック(葛飾区) 

a ほぼ正常な上顎洞
b 炎症の粘膜が充満した上顎洞と篩骨洞

治療について 

薬物療法

80~90%の副鼻腔炎は内服薬で治癒・改善していきます。特に小児のほとんどは内服薬で治癒していきます。 

手術療法

当院から医療機関をご紹介し、術後は当院と紹介病院で治療にあたります。

●紹介病院
  • 慈恵医大付属病院(港区)
  • 慈恵医大葛飾医療センター(葛飾区)
  • 松脇クリニック品川(品川区御殿山:短期滞在型鼻手術センター) その他

高齢者の繰り返す鼻血について

原因その1:抗凝固薬 

まずは現在内服しているお薬をご確認下さい。特に原因として多いのが心臓や脳梗塞の予防として処方されている抗凝固薬(血をサラサラさせる薬/バファリン・ワーファリン・バイアスピリンなど)の内服による鼻血が増えています。抗凝固薬は血が固まりにくい状態を作り出すことで、脳出血や心筋梗塞などを予防します。鼻炎を起こし鼻粘膜に傷がついたり、かさぶたがはがれたりすると血が止まりづらいため、しばしば「頻回な鼻血」症状の原因となります。

多くの抗凝固薬は大切なお薬ですので、鼻血が頻繁に出るからといってご自分の判断で勝手に休薬せず、必ず主治医にご相談下さい。

原因その2:アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎

アレルギー性鼻炎でも鼻血症状を起こします。春の花粉症シーズンや、通年性のダニアレルギーが増悪する季節に多くみられます。もちろん副鼻腔炎も原因のひとつです。

原因その3:副鼻腔の悪性腫瘍

副鼻腔の悪性腫瘍(上顎がん)でも鼻血症状を認めます。早期発見・早期診断が肝心です。

上顎がんの症状:鼻閉・鼻出血・開口障害など

鼻中隔彎曲症について

鼻の真ん中にある、左右の鼻を隔てる壁のことを鼻中隔(びちゅうかく)といいます。顔面の骨(顔面骨・頭蓋骨)の成長の過程で、直立歩行をしている人間は大脳の発育が著しく早く、硬いものを噛まなくなった人間の下顎は発育が遅くため、その発育の大きな力の歪みを顔の真ん中にある鼻中隔軟骨が解消して弯曲すると考えられています。

その結果として左右前後と立体的(三次元的)に鼻中隔彎曲症が発生し、私たちの鼻内構造は左右非対称的となります。鼻閉・嗅覚障害・慢性や急性の副鼻腔炎・睡眠時無呼吸症候群など様々な鼻炎を合併する原因となっています。

鼻閉の改善や副鼻腔炎の治療の一環として鼻中隔彎曲矯正術という手術療法が有効なことがあります。その手術治療により多くの鼻閉(鼻づまり)は改善します。なかなか良くならない鼻閉の方はご相談下さい。信頼できる医療機関をご紹介致します。

●紹介病院
  • 松脇クリニック品川(品川区御殿山:短期滞在型鼻手術センター) 
  • 慈恵医大付属病院(港区) 
  • 慈恵医大葛飾医療センター(葛飾区) その他
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